レーザー治療でいびきは治る?メリット・デメリットを正しく理解しよう

治療

レーザー治療とは?いびきへの効果と仕組み

いびきに悩んでいる方の中には、「レーザーでいびきを治療できるらしい」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
レーザー治療は、外科手術を伴わずに行える比較的新しいいびき治療法として注目されています。
ここでは、その仕組みと、どのような人に効果が期待できるのかを解説します。

上気道の狭窄にレーザーでアプローチ

いびきの原因の多くは、「上気道(のど・軟口蓋・咽頭など)」が狭くなり、睡眠中の呼吸の際に粘膜が振動することによって起こります。
レーザー治療では、この狭くなった部分にレーザーを照射することで、組織を収縮させて気道を広げるのです。

代表的なレーザー治療には以下のような種類があります:

  • パルスサーミア(高周波治療):粘膜の深部に熱を与えて収縮させる

  • レーザーアブレーション:組織を蒸散させることで形状を整える

  • ナイトレーズ(Fotona):口腔内からレーザー照射し、粘膜を引き締める

いずれも入院不要、10〜30分ほどの短時間で処置できるのが特徴です。

対象となるいびきタイプとは?

レーザー治療はすべてのいびきに適しているわけではなく、効果が出やすいタイプと出にくいタイプがあります

効果が期待できるケース

  • 軽度〜中程度の習慣性いびき

  • 肥満が主因でないいびき

  • 鼻ではなく、のど(口蓋垂や軟口蓋)に原因がある場合

効果が薄い・不向きなケース

  • 重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)

  • 肥満による舌根沈下タイプのいびき

  • 鼻の構造的な異常(鼻中隔湾曲など)がある場合

レーザー治療は**気道を広げる「補助的治療」**であるため、
「全ての人に完全な効果があるわけではない」ことを事前に理解しておくことが大切です。

レーザー治療のメリットとは

いびき治療として注目されているレーザー治療には、手術と比較して多くの利点があります。
ここでは、実際に治療を受けた人の声や医療現場での評価をもとに、レーザー治療の主なメリットを解説します。

手術不要で通院ベースの治療が可能

従来、いびきの根本的な治療には外科的手術(軟口蓋切除や扁桃摘出など)が必要でしたが、レーザー治療は局所麻酔で行える非侵襲的な処置です。
多くのクリニックでは日帰りで対応可能なため、仕事や育児に忙しい方にも取り入れやすいのが大きなポイントです。

  • 入院不要・短時間で施術可能

  • その日から日常生活が可能

  • 治療後の回復も比較的早い

特に女性や高齢者、手術に不安を感じる方にも選ばれやすい治療法といえるでしょう。

痛みやダウンタイムが少ない

レーザー治療は高周波やレーザーを使用して粘膜を収縮させるだけなので、組織を大きく切除する必要がありません。
そのため、治療中・治療後の痛みが少なく、回復も早いのが特徴です。

  • 喉の軽い違和感や咳が出る程度で済む場合が多い

  • 通常は数日〜1週間で違和感がなくなる

  • 痛み止めも軽めで済むことが多い

この点は、「いびきは治したいけど、痛いのは怖い…」という人にとって大きな安心材料です。

保険適用外でも人気の理由

レーザー治療は健康保険が適用されない自由診療であり、費用は高額になるケースもあります。
しかし、それでも選ばれている理由には以下のような背景があります。

  • 手術よりハードルが低く、気軽に試せる

  • 保険適用外=最新技術を柔軟に取り入れられる

  • 比較的短期間で効果を実感しやすい

特に「パートナーにいびきを指摘された」「手術は避けたい」という30〜50代の女性層に選ばれることが多く、
見た目や美容を気にする人にとってもハードルが低い治療法といえます。

レーザー治療のデメリットとは

いびきに悩む人にとって魅力的に映るレーザー治療ですが、決して万能ではなく、いくつかの注意点やデメリットも存在します
治療を受ける前に、これらのポイントをしっかりと理解しておくことが重要です。

根本治療ではない可能性

レーザー治療は粘膜を収縮させることで一時的に気道を広げる方法であり、いびきの原因そのものを完全に取り除くわけではありません。
とくに、肥満や舌の沈下、鼻づまりが主因である場合には、再発のリスクが高くなります

  • 生活習慣の改善を怠ると効果が持続しない

  • 原因が複合的な場合、治療効果が限定的

  • 睡眠時無呼吸症候群には対応しきれないことも

そのため、あくまで「補助的な選択肢」として捉えるのが現実的です。

効果が一時的なケースもある

レーザーによって引き締められた粘膜は、時間の経過とともに元の状態に戻る可能性があります。
個人差はありますが、半年~1年ほどで再施術が必要になる人もいるようです。

  • 永続的な改善を期待している人には不向き

  • 複数回の施術が必要になる場合もある

  • 年齢や体質によって持続期間に差がある

このように、「一度やれば終わり」ではないことを理解しておくことが大切です。

費用が高額になることも

レーザー治療は自由診療であるため、保険が適用されません。
そのため、1回あたり5万円~15万円程度の費用がかかるのが一般的です。

治療内容 おおよその費用相場
パルスサーミア 約7〜10万円/回
ナイトレーズ 約5〜8万円/回
レーザーアブレーション 約10〜15万円/回

さらに、効果を維持するために複数回の施術が推奨されることも多く、トータルでの費用負担が大きくなりがちです。

対象外となる人もいる

以下のような条件に当てはまる場合、レーザー治療の適応外となる可能性があります。

  • 重度の睡眠時無呼吸症候群(AHIが高い)

  • 妊娠中・授乳中の方

  • 重度の肥満や糖尿病などの基礎疾患がある人

  • 医師から「構造的な異常あり」と診断された方

このような場合には、別の治療法を選ぶ必要があり、事前の診断がとても重要です。

レーザー以外のいびき治療法と比較

レーザー治療は魅力的な選択肢ではありますが、他にもいびきを改善するための方法は複数あります
ここでは、レーザー以外の代表的な治療法とそれぞれの特徴を比較しながら、自分に合った方法を選ぶヒントをお伝えします。

CPAP(シーパップ)療法との違い

**CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)**は、主に中等度〜重度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療で用いられます。
鼻にマスクを装着し、空気を送り込むことで気道を常に広げておく仕組みです。

項目 レーザー治療 CPAP療法
対象 軽〜中程度のいびき/SAS 中〜重度のSAS
効果 気道の一時的拡張 睡眠中の無呼吸を防止
継続性 数ヶ月〜1年程度 毎晩装着が必要
保険適用 自由診療 医師の診断で保険適用可能
不快感 少ない 装着感や音に慣れが必要

CPAPは効果が確実な一方、装着のわずらわしさや継続の難しさが課題となることも。
対してレーザー治療は短期的な効果を狙うには適しているが、再発のリスクがある点で違いがあります。

マウスピース療法との比較

**口腔内装置(マウスピース)**は、睡眠時に装着することで下顎を前に出し、気道の閉塞を防ぐ方法です。
歯科や耳鼻科でオーダーメイド製作が可能です。

項目 レーザー治療 マウスピース
装着の手間 なし 毎晩装着が必要
違和感 ほぼなし 慣れるまで時間が必要
効果持続 数ヶ月〜1年 装着中のみ有効
費用 高額(保険適用外) 保険適用可能な場合あり

マウスピースは軽度〜中等度のいびき・無呼吸に有効で、医師の指導のもと継続的に使用することで改善が見込める治療法です。

自力で改善できるケースもある

生活習慣や寝姿勢の見直しによって、自力でいびきが改善するケースも多くあります
以下のような方法は、副作用もなく手軽に始められるため、レーザー治療の前段階としても有効です。

  • 横向きで寝る習慣をつける

  • 減量や禁煙を行う

  • アルコールの摂取を控える

  • 鼻詰まりやアレルギーを治療する

  • 筋トレ・舌の体操でのど周辺を鍛える

これらの方法は地道ではありますが、根本的な改善につながることもあり、まず試してみる価値は高いと言えるでしょう。

まとめ

いびき治療におけるレーザー治療は、痛みやダウンタイムが少なく、日常生活への影響も少ないという点で大きなメリットがあります。
しかしその一方で、効果の持続性や費用、対象の限定性などのデメリットも存在します。

特に以下のような人にとって、レーザー治療は検討に値する方法です:

  • 軽度〜中程度のいびきに悩んでいる

  • 手術は避けたいが、何かしらの治療を試したい

  • 通院が可能で、自由診療の費用を負担できる

一方で、重度の睡眠時無呼吸症候群や明らかな構造的問題がある場合は、他の治療法との併用や医師の診断が必須です。

いびきは放置しておくと、心疾患や認知症リスク、日中の眠気による事故リスクなど、想像以上に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
だからこそ、「手軽そうだからやってみる」だけでなく、自分に合った方法かどうかをしっかり見極めて選択することが大切です。


参考記事

タイトルとURLをコピーしました